(101) 「生きる」ことについて語りかける
那須温泉神社のミズナラ巨木

誕生日のお祝いにと那須温泉を訪ね、近くの那須温泉神社にお参りに行ったら、「生きる」ことについて色々考えさせられる素晴らしい樹木との出会いがありました。

    

 (101-1) 参道わきに立つミズナラ巨木

 那須温泉神社に至る長い参道の途中に、那須与一が寄進したと伝えられる鳥居があり、そのわきにひときわ大きな樹木が立っていました。
 木のそばに立っている掲示板を見るとミズナラの大木で、しめ縄が付けられ御神木とされています。杉や楠やイチョウの巨木で御神木となっているものは良く見かけますが、ミズナラの御神木は初めて見ました。


  

  (101-2) 岩のようなミズナラ巨木

このミズナラは幹周4m、樹高18m、推定樹齢800年の巨木ですが、ミズナラは山奥に自生している樹木で、人里近いところでこれほどの巨木は非常に珍しいのではないでしょうか。
 
訪ねた時が4月中旬だったため、ミズナラはすっかり葉を落としており、まだ新芽も出ておらず、それは樹木というより岩の様でした。幹の太さの割に樹高が低いためか、どっしりとした安定感があり、幹にはゴツゴツとしたこぶがいくつもでき、800年の風雪に耐えてきた迫力があふれていました。活力・蘇生力・生命力等のパワーが授けられる巨木として崇められているようです。

  

 (101-3) 「生きる」ミズナラ巨木

 今回、思いがけずミズナラ巨木に出会い、一番感動したことはこのミズナラ巨木が「生きる」と名付けられていることでした。樹齢800年というのは、ミズナラとしても希な古木ではないでしょうか。人間にたとえれば古希(70歳)、いやそれを超えた80歳くらいの年齢に相当するのでしょうか。

「生きる」とはなにか?
何のために生きているのか?
「生きる」ことは楽しいこと?苦しいこと?
「生きる」ことは悟ること。・・・

 ミズナラ「生きる」を目の前にして、生きることについていろいろ考えさせられました。生きることをとても一言では言い表わせませんが、喜寿を超えなお元気で過ごせている私にとって、生きることは感謝すること、と改めて感じさせられました。

  

 (101-4) 「生きる」の若葉の姿

 今回訪ねた時には葉が落ちており、葉をつけた活力あふれる「生きる」を是非見て見たいと思い、ネットで調べてみたら那須温泉神社のブログに若葉の「生きる」が出ていました。

 ミズナラ「生きる」は生きていることの証として、みずみずしい若葉を芽吹かせています。ツツジと思われる花とミズナラの若葉とのコントラストがことのほか美しく感じられます。機会があればまた、今度は若葉の季節に「生きる」に会いに行きたいと思います。

(左写真は那須温泉神社ブログより。2015年5月中旬撮影)

  

   樹木写真の属性
 樹  種 ミズナラ(水楢) [ブナ科コナラ属]

(「樹木の見所」のページにリンクしています)
 樹木の所在地  栃木県那須郡那須町大字湯本182  
 撮影年月  2017年4月
 投稿者   古田 望   
 投稿者住所  埼玉県春日部市備後東
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