(95) 広島・コイン通りを賑わす
「金持ちの木」や「金の成る木」

広島市の五日市町には「五日市コイン通り」という賑やかな商店街があり、ここには造幣局広島支局があって、お金(硬貨)を鋳造しています。大阪造幣局と同様にここ広島造幣局の内部にも種々の八重桜があり、花観どきには大いに賑わいます。
コイン通りには「金持ちの木」や「金の成る木」をはじめ金運開運の干支像など、様々な金運を招く神様が大集合しています。金運に恵まれている方はお礼参りに、恵まれていない方は金運招来祈願に、どちらとも言えない方は後学のために、コイン通りを訪ねて見てはいかがでしょう。

    

 (95-1) 金持ちの木

 コイン通り造幣局の前には「金持の木」が二本あり、木の幹には「祈願・幸運金運・金持の木」という赤い札がかかっています。

 そう、この通りでは金持ちのいろいろな神様が祀ってあり、十二支の動物たちや金持招き猫などに会うことができるのです。そして金持稲荷神社を祀る酒屋さんもあります。


  

  (95-2) 「金持ちの木」はクロガネモチ
 
しかし植物図鑑などを調べても「金持ちの木」という木はなさそうであり、その代わりにクロガネモチ(黒鉄黐)はあります。どうも「金持の木」はその特徴からクロガネモチのようです。クロガネモチはモチノキの仲間で、その若枝や葉柄が鉄(くろがね)のような黒紫色をしていることからそう呼ばれています。
それならそれで、これを「金持の木」とし、コイン通りを「金持ち通り」として楽しもう、という魂胆のようです。

 

 (95-3) 宝石を身に着ける「金持ちの木」

 私がコイン通りを訪ねた時(11月)、クロガネモチの沢山の実が赤く綺麗に熟し、まるで「金持ちの木」が金持ちであることの証として、沢山の宝石を身に着けているように見えました。

  

  (95-4) 撫でるときっといいことがある開運金持ち像
 
実際、このコイン通りには貨幣を手にした開運金持十二支像が並び、さらに金持招き猫像や金持昇鯉像などもあり、像には撫でるときっといいことがあると書かれています。昨年の地元カープの優勝にはこの金持昇鯉も少なからず貢献したのでしょう。

  

 (95-5) 「金の成る木」

 そして「金の成る木」です。これはベンケイソウの仲間で比較的よく知られた植物であり、正式にはクラッスラ(花月・満天の星座)といい南アフリカ原産です。5年以上経って大きくなると白色から薄桃色の星形の小さな花をつけるということです。外観は草本のように見えますが、常緑低木に分類されていますから樹木と言えるでしょう。

 本来はカゲツ(花月)という名前ですが、昔から遊び心で新芽に五円玉を入れて茎の間に5円玉を挟み大きくなると5円玉が抜けなくなり、木にお金が成っているように見えるので、「金の成る木」と呼ばれるようになったようです。

 また、葉が硬貨に似ているのが、「金の成る木」の名前の由来であるともいい、縁起物としても販売しています。

  

   樹木写真の属性
 樹  種 クロガネモチ(黒金)[モチノキ科モチノキ属]
クラッスラ(ー)[ベンケイソウ科クラッスラ属]
 樹木の所在地  広島市佐伯区五日市中央4丁目  
 撮影年月   2016年11月
 投稿者   殿塚 勳   
 投稿者住所  広島市佐伯区楽々園
 その他