(88) 「下から目線」と「上から目線」で撮影する
尾道・艮(うしとら)神社のクスノキ

尾道市の艮(うしとら)神社は平安時代の初期・大同元年(806年)創建の古社である。歴史の古さを物語るように境内には多数のクスノキ巨木がある。
巨木はその大きさと多様な形状のため、中々その魅力を写真でとらえにくいが、今回は上から目線で撮影した写真にチャレンジする。

  

  (88-1) 艮神社のクスノキ
 
艮神社の境内には拝殿右前に1株、社殿南側に3株のクスノキ巨木があり、その中で拝殿右前のもの(上写真)が最大で、幹周7.5m、樹高25m、推定樹齢900年で広島県指定天然記念物になっている。
 今回はこれを取り上げてみたが、なにぶんにも大木であり、うまくカメラに入りきれない。

  

 (88-2) 圧倒される存在感

 近づいて見ると圧倒されるような巨樹である。

 大木の撮影でいつも思うのであるが、全体をうまく収めることだけで、難しさを感じる。

 大木である、ということを表現すること自身に困難を感じるのだ。  

 

 (88-3) 着生植物が付着する古木

 さすがに年を重ねた樹木であり、枝には多くの草類が寄生している。これもこの巨樹の樹齢の長さを示す見逃せない特徴である。 

  

  (88-4) 神社を覆う大クスノキ
この大楠は神社をも覆い尽くすほどなのだが、なかなかそれを表現するような写真が難しい。
 
このような時、ドローン上のカメラならばうまく撮れるのではないか、と思いながらカメラを構えているとき、何と上空にはロープウエイが走っているではないか。
 そうだ、ロープウエイに乗ってそこからこの大木を撮影すればよいのだ。

実はこの艮神社のすぐ脇にはロープウエイの駅があり、山上の千光寺に向かってロープが張られているのである

    

(88-5) 上から撮影したクスノキ

 早速ロープウエイ上からの「上から目線」でこのクスノキの大木を撮影することにした。下から、あるいは横から取った上記の写真とは随分趣の異なる写真が撮れた。

 しかし思ったほど良い写真が撮れない。ロープウエイは乗ってみると意外に早く、撮影も難しい。 やはりできればドローンから「上から目線」「横から目線」、「斜めから目線」、「遠くから目線」、「近くから目線」など最適な「目線」で撮影すべきなのであろう。何とも難しいということが分かった。

  

   樹木写真の属性
 樹  種  クスノキ(楠) [クスノキ科ニッケイ属]

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 樹木の所在地  広島県尾道市長江1-3-5   
 撮影年月   2016年7月
 投稿者   殿塚 勳   
 投稿者住所  広島市佐伯区楽々園
 その他