(4)樹木と国旗(2013年9月アップ)

 樹木あるいは樹木に関連する事・物(樹木の枝葉や森林・林業など)をデザインに取りいれた国旗をまとめてみました。全194ヶ国の内、31ケ国の国旗に樹木に関連する表象が見られます。
 国旗の説明は「世界の国旗図鑑」を参照しました。

 地 域  国及び国旗  説 明
 アジア諸国

(39ヶ国)
 キプロス共和国
 中央のオレンジ色の部分はキプロス島をかたどっており、銅などの豊かな地下資源を表わし、その下にある2本のオリーブの枝は、トルコ系とギリシャ系の両国民の協力と平和を象徴している。
 スリランカ民主社会主義共和国
 剣を持つ獅子はシンハラ王朝以来の国の象徴。茶色部分四隅の黄色は菩提樹の葉であり仏教を表す。サフラン色はヒンズー教又はタミル人、緑はイスラム教又はムーア人を表わし、民族の融和を象徴する。
 レバノン共和国
 赤は勇気と尊い犠牲を、白は純潔と平和を象徴する。中央にはこの国のシンボルで、高潔さと不滅を表わすレバノン杉が描かれている。
 オセアニア諸国

(14ケ国)
 フィジー諸島共和国
 地色の水色は美しく澄んだ南太平洋を象徴する。紋章は黄色いライオン、セント・ジョージの十字、バナナやサトウキビ、ヤシなど、フィジー諸島を象徴する図柄が描かれている。カントンのユニオン・ジャックは英連邦の一員を表してはいるが、1987年に英連邦からの離脱を宣言した。
 ヨーロッパ諸国

(41ケ国)
 サン・マリノ共和国
 青は空とアドリア海、白はティターノ山の雪と純粋さを表わす。中央の紋章は、主権を象徴する王冠、ティターノ山の3つの峰と塔などが描かれており、月桂樹や柏の葉で囲まれている。紋章の下に書かれている文字は、イタリア語で「自由(LIBERTAS)」。
 ブルガリア共和国
 1821年、ゲオルギ・ラコフスキがオスマン・トルコ帝国からの解放運動を展開した。この時の旗が1878年に国旗として制定されたもの。白が平和と友好、緑が農業と森林、赤が軍隊の勇気と忍耐を表わす
 ロシア・NIS諸国

(12ケ国)
 アゼルバイジャン共和国
 青色は深く澄みわたる空とカスピ海を、赤色は独立の決意を、緑色はカフカス山脈の森林と実り豊かな農業を象徴し、中央の三日月と星はイスラム教国である事を表している。
 アフリカ諸国

(53ケ国)
 エリトリア国
   
 緑は豊かな農業の恵みを、青は紅海を、赤は独立の闘争で流された尊い血を象徴する。旗竿側の中央部にエチオピア・エリトリア連合旗で用いられた円形のオリーブの枝が黄色で描かれていて、30年にも及ぶ独立闘争の勝利と未来の明るい希望を表わす
 ガーナ共和国
 赤・黄・緑の3色は「汎アフリカ色」。赤は独立のための戦いを、黄色は金鉱山に代表される豊かな地下資源を、緑色は豊かな森林と実りある農業を象徴する。中央の黒い星は、アフリカの独立運動の父といわれガーナ共和国の初代大統領である、Kwame Nkrumah を表わす。
 カメルーン共和国
 緑は国の南部の森林地帯を、黄は輝く太陽と北部のサバンナを、中央の赤は両者の団結と耕作地帯を、星は栄光を象徴する。
 ガボン共和国
 緑色は経済を支える豊かな森林を、黄色は赤道と太陽を、青色は水資源と海洋国家を象徴する。
 ギニア共和国
 旧宗主国フランスの国旗にちなんだデザインで、国の標語「労働・正義・団結」に基き「汎アフリカ色」である赤・黄・緑の3色に染め分けられている。赤は生命の源である太陽を、黄は黄金とアフリカの光、緑は豊かな森林を象徴する
 ギニア・ビサウ共和国
 黄は北部サバンナ、緑は南部の森林地帯、赤は海岸地帯を表わす。黒色の星は独立アフリカ党を象徴する。
 コートジボワール共和国
 オレンジ色は北部のサバンナ地帯、緑色は南部の森林地帯、白色は国民の協調と団結を表わす。同時に、オレンジ色は繁栄を、緑色は未来への希望を象徴する。
 サントメ・プリンシペ民主共和国
 赤は独立闘争で流された尊い血の犠牲を、緑はこの国の重要な産物であるカカオと森林を、黄は豊かな国土を、黒色の星はサントメとプリンシペの2つの島と、ブラックアフリカを象徴する。
 赤道ギニア共和国
 青は海を、緑は農業と天然資源を、白は平和を、赤は独立闘争で流された尊い血を表わす。紋章に描かれているのは神木パンヤの木。上部の星はそれぞれ5つの島と大陸部のリオムニを表わし、下部の文字は「団結・平和・正義」を意味している。
 ナイジェリア連邦共和国
 緑は豊かな森林資源と農業を、白は平和と統一を象徴し、3つに区分けされているのは、北部のハウサ人、西部のヨルバ人、東部のイボ人の3部族を表わす。一般国民から公募したもの。
 ブルキナ・ファン
 赤は革命闘争と尊い血の犠牲を、緑は農業・林業と富そして希望を象徴する。希望と鉱物資源を表わす黄色の星は、革命の原理と指導性のシンボルでもある。
 ペナン共和国
 1960年の独立時に制定されたもの。その後1975年から1990年までは別のデザインが用いられていたが、現在は再び独立時の国旗に戻った。国歌には、緑が希望と復活を、赤が先祖の勇気を、黄色は国の富への願望を象徴すると謳われており、それとは別に緑は南部の森林やヤシ林を黄色は北部のサバンナを、赤は両地域の結び付きと発展を表わすとも言われている。
 北アメリカ諸国

(23ケ国)
  エルサルバドル共和国
 青は空と海を、白は平和と調和の希望を表わす。中央の紋章に中米諸国のシンボル「自由の帽子」と、火山や海などが描かれている。両側は14の州を表わす14束の月桂樹の葉で囲まれており、円弧状に書かれている文字は「中央アメリカのエルサルバドル共和国」。
 カナダ
 大議論の末、1965年に制定された国旗。両側の赤い帯は太平洋と大西洋を表し、中央のメイプルリーフがカナダを象徴する。赤と白は1921年に指定された国の色で、メイプルリーフは18世紀以来伝統的にカナダのシンボルとされてきたもの
 葉の先端の尖った部分と枝を合わせた12の数は、国を構成する10州と2準州を表している。
 グアテマラ共和国
 青は太平洋とカリブ海、白は平和の願いを象徴する。紋章に描かれた国鳥ケツァールは自由のシンボルで、銃剣と刀は国を守る決意と勝利を、周りを囲む月桂樹は平和を表わす。中央にはスペインからの独立を記念して「自由 1821年9月15日」と書かれている。
 ドミニカ共和国
 青は平和を、赤は独立のために流された尊い血を、白は自由を、十字はキリスト教への信仰心を表わす。中央の国章は、月桂樹とヤシに囲まれた旗の上に聖書と十字架が描かれており、国家の栄光を象徴する。上のリボンには「神・祖国・自由」の文字が、下のリボンには国名が記されている。
 ハイチ共和国
 青と赤の2色は、黒人とムラート(黒人と白人の混血)の2種類の人種を表わす。中央の紋章にはヤシの木と自由の帽子、大砲、弾丸、旗などが描かれており、自由と独立の為の戦いの歴史を象徴する。下部の文字の意味は「団結は力なり」。
 ベリーズ
 与党人民統一党旗が基となっている。円内の50枚の葉は自治権獲得運動を起こした1950年を記念するもの。中央の紋章には、働く住民と特産のマホガニーや帆船などが描かれており、青い地色は海洋を象徴する。
 南アメリカ諸国

(12ケ国)
 ガイアナ共和国
 赤は国家建設への熱意を、黒は忍耐を、黄は鉱物資源と国家の活力を、白は豊富な水資源を、緑は豊かな農業と森林を象徴する。
 パラグアイ共和国
  世界で唯一、表と裏で図柄の一部が異なる珍しい国旗。(左の図の紋章は表側)
 赤は独立戦争、白は平和、青は自由と秩序の象徴。中央の紋章は、旗の表が独立記念日の5月の星ヤシやオリーブの葉そして国名などが描かれた国章、裏は自由の帽子とライオン、「平和と正義」と書かれた国章の証印。
 ブラジル連邦共和国
 緑は林業と農業、黄色は鉱業を象徴する。星座の形は無血革命で帝政から共和制になった1889年11月15日20時30分のリオデジャネイロ市の夜空で、こいぬ座、おおいぬ座、りゅうこつ座、おとめ座、うみへび座、南十字星、八分儀座、南のさんかく座、さそり座が描かれている。 27個の星は26州と首都「ブラジリア」を表す。(1992年までは星が23個だった。)黄道部分に書かれている文字の意味は、国のモットーとする「秩序と発展」。
 ベネズエラ・ボリバル共和国
 1806年に、Francisco de Mirandaの率いる自由解放隊がベネズエラを訪れたときに、船に掲げていた旗が元になっている。黄は豊かな資源と祖国愛、青はカリブ海と不屈の精神、赤は独立闘争で流れた血と勇気を象徴する。
 紋章は、財産・勝利・自由を象徴し、紋章の上部は自然の豊かさを表わし、左の葉はロレールの枝、右の葉はPalmaという植物で飾られている。
 ペルー共和国
 建国の英雄サンマルティン将軍が見た、翼が赤く胸が白い鳥に由来する旗。白は平和と名誉を、赤は勇気と愛国心を象徴する。中央の紋章は左がラマ、右がキナというそれぞれペルー特産の動植物、下は財宝で豊かな鉱物資源を表わす。
 ボリビア多民族国
 赤は独立闘争で流された尊い血を、黄色は豊かな鉱物資源を、緑は森林資源を象徴する中央の紋章には、ポトシの丘やコンドル、ラマ、パンの木など、ボリビア各州の特徴的な絵柄が描かれている。
 国際機関  国際連合旗
 北極を中心にした世界地図を、平和の象徴であるオリーブの葉で囲んだもので、1947年10月の第2回国連総会で制定された。