感動樹木HP__樹木の見所 (14D20)

名称 ブナ(橅)、 別名:シロブナ(白橅)、ソバグリ
総称:ブナ属の木(ブナ、イヌブナなど)をブナと呼ぶ場合が有る。
名前の由来: 
 ブナの林を吹き抜ける風の音から「ブーンと鳴る樹」→「ぶんなるき」→「ぶな」となったとか、役に立たない木なので「ぶんなげる樹」→「ぶんなげき」→「ぶな」となったなどの説が有る。
 シロブナは近縁種のイヌブナ(別名:クロブナ)と比較して、樹皮の色が白いことからきている。ブナの実に4本の稜角(そば)があることから、ブナの実をそば栗と呼び、転じてブナの木そのものもソバグリと呼ぶようになったと言われる。
分類  ブナ科ブナ属、  落葉広葉高木  
見所 *山地に自生しており、日本の温帯林を代表する樹木である。北海道南部や東北では人里近い平地にも見られる。

*ブナの木は腐りやすく加工後に曲がり狂いやすい等、用材として価値が低かったため杉や檜の人工林に置きっかえられ、その存在が次第に少なくなってきた。

*近年、環境保全重視の気運が高まり、ブナの価値が見直されるようになってきた。ブナの木の雄大で美しい姿から森の女王と言われるまでになってきた。

*ブナの葉はやや厚い用紙質であり、葉を通して降り注ぐ緑の柔らかい光が、森林の極上の癒しの空間を作り出す。

*ブナの柔らかく大きな落ち葉は保水力が高く、雨水をろ過する力も大きいため、ブナの森が上質な天然水を作り出している。このようなブナ林の水を生かした酒作りも見られる。

*ブナを表す文字「橅」は昔日本で作られた和字であるが、無用な木と言ったニュアンスが感じられ、ブナにとっては不名誉なことであろう。森の女王に相応しい文字が望まれる。
代表的姿形 樹形:
 幹は直立するが曲がりがちで、不規則に枝が付き、卵形の樹形となる。大きいものは幹周1.5m位、高さ30m位になり、雄大な感じを与える。



樹皮:
 樹皮は灰白色で割れ目はなく滑らか。地衣類などが表皮に付き、独特の模様を作ることが多い。老木になっても表皮は滑らかであるが、波打つような深いしわが入るものもある。
葉:
 葉は卵形で互生し、長さ4~9cm、幅2~4cm。葉の周囲には波状の鋸歯が有る。側葉脈が等間隔に平行に突出している。



紅葉:
 10~11月、気温が下がると黄~黄褐色に紅葉する。ブナの森で全山紅葉している様は美しい。
落ち葉は良く水を蓄え水を濾過して豊富な天然水を生みだす。
花:
 ブナは雌雄同株で花期は5月、葉の展開と同時に開花する。雄花序は淡褐色で新枝の下部の葉腋から垂れ下がり、雌花序は緑色で新枝の先に上向きに付く。風媒花であるため地味な色をしており目立たない。



実:
 果実は堅果で堅い殻斗に包まれている。10月頃に熟し、殻斗が4つに割れ、2個の栗の様な堅果が現れる。
 下写真:左は結実したばかりの若い果実。右は熟して裂開した実。
分布 *北海道、本州、四国、九州に分布する。
*山地に自生し、北海道南部や東北で平地にも見られる。
利用 *材は腐りやすく狂いも生じやすいため、用材として余り活用されてこなかったが、最近の技術の進歩により床材などの建築材、家具材、器具材として使われるようになった。キノコ栽培の原木としても使用されてきた。
その他 *世界自然遺産に登録されている白神山地の主要樹種はブナである。
*北海道・黒松内町、岩手県・一関市、神奈川県・山北町など全国30余の市町村がブナを各自治体の木に指定している。
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