感動樹木HP__樹木の見所 (15B20)

名称 エドヒガン(江戸彼岸)、 別名:アズマヒガン(東彼岸)、 ウバヒガン(姥彼岸)、  変種:シダレザクラ(枝垂桜)
総称:エドヒガン、ヤマザクラ、ソメイヨシノなど、春の花見の対象となるサクラ属の花木の総称として、「サクラ(桜)」と呼ぶことが多い。
名前の由来:
 エドヒガン:江戸で多く見られ、春の彼岸(春分の日を中日に前後7日間)頃に花が咲くことから、この名が付けられた。
アズマヒガン:東国の彼岸桜の意。
ウバヒガン:姥(老婆)は普通歯が抜けてしまって無い場合が多いが、本種も3月末に葉の無いうちに花が開くので、歯無しと葉無しをかけて,ウバの名が付けられた。
シダレザクラ:枝が細く長く伸び、枝垂れるところからその名が付けれれた。
分類  バラ科サクラ属、  落葉広葉高木  
見所 *桜の野生種の一つであり、山地に自生する。日当たりのよい適湿の場所を好むが、乾燥した場所でも育つ。
*葉の展開の前に開花して花が見事であり、特に小枝が長く伸び枝先が垂れ下がる形のエドヒガンは「シダレザクラ(枝垂桜)」と呼ばれ、鑑賞用の桜として庭園・寺院・公園などに植栽されていることも多い。
*花は薄紅色から白で花弁は5枚で一重。葉の展開より先に花が咲き、咲き始めはソメイヨシノなど他種に比べると一週間から十日ほど早い。萼(花の付け根)が丸く膨らんでいるため他種と区別しやすい。
*エドヒガンはヤマザクラと共に桜の中では非常に長寿の種である。神代桜(伝承樹齢2000年超)、淡墨桜(伝承樹齢1500年超)、樽見の大桜、(伝承樹齢1000年超)、石割桜(伝承樹齢300年超)など、各地に見られる桜の名木・古木の多くはエドヒガンである。
*桜には非常に多くの園芸品種(300〜600種と言われる)が有るが、葉が展開する前に多数の花を咲かせる特徴をもつエドヒガンが、多くの桜園芸品種の母種となっている。
代表的姿形 樹形:
 高さ15〜20mになる落葉高木、大きい物は幹の直径1mになる。幹は直立するが比較的低い位置から分枝し、樹形は円蓋形となる。
 エドヒガンの変種でシダレザクラと呼ばれるものは、細枝が長く伸び枝垂れる。

満開のエドヒガン(樹齢150年くらい)


満開の枝垂れ形エドヒガン(シダレザクラ)
葉:
 葉は単葉で互生し、葉身は長楕円形〜狭倒卵形で長さ6〜12cm、幅3〜5cm。縁には不揃いな重鋸歯がある。ソメイヨシノ等の葉に比べ細長い。
  

落葉:
 秋になると赤茶色に紅葉し落葉する。
下写真:冬枯れのシダレザクラ




樹皮:
 幼木では樹皮は灰褐色でなめらかで横長の皮目がある。成長すると縦に割れ目が入り横長の皮目は目立たなくなる。老木では樹皮は暗灰褐色、縦に浅く細かい割れ目が入る。
花:
 花は両性花で花期は3〜4月、葉の展開に先立って前年枝の葉腋に2〜5個の五弁の花を付ける。


 花は直径約2.5cmで淡紅色でまれに白色。 ガク(花の付け根)が丸く膨らんでいるのが大きな特徴。



実:
 果実は直径1cm位の球形の核果。5〜6月に黒紫色に熟す。

分布 *本州・四国・九州に分布する。野生種は山地に自生する。
利用 *観賞用の花木として優れているので、公園樹、庭園樹、街路樹として多用される。学校などで記念樹として植栽されることも多い。
*材は硬く湿気には比較的強いので建築材や器具材として使用される。無垢テーブル板や比較的高級なフローリング材として使用される。彫刻材としても用いられる。
その他 *桜は日本の国花に指定されている。京都府はしだれ桜を府の花に指定。山形県白鷹町はエドヒガン桜を町の木に指定、福島県三春町、鏡石町はシダレザクラを町の木に指定している。
*71余りの市区町村は各自治体の木として、総称としての「サクラ」or「さくら」or「桜」を指定している。一般に桜の種(エドヒガンやヤマザクラやソメイヨシノなど)はあまり強く意識されていないようである。
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