感動樹木HP__樹木の見所  (14A10)

名称 ヒノキ(檜、桧は略字
名前の由来:
 神社造営の用材に用いるところから「霊(ひ)の木」が語源とする説や、「日」は太陽を表す最も古い語形で最高のものを表すところから「日の木」が語源とする説がある。またヒノキは精油を含み適度な堅さを持つため、摩擦で火をおこすことに使用されたことから「火の木」が語源とする説もある。
分類  ヒノキ科ヒノキ属、  常緑針葉高木  
見所 *檜は日本固有種であり日本の山野で良く見かける樹木である。通直な太い柱材を取りやすく、強度・色・香りの点で優れており、日本の木造建築文化の頂点に立つ樹木である。
*檜材は緻密で強度が高く、適切に使用された檜建築物は1000年を超える寿命を持つ。世界最古の木造建築物として1400年余の歴史を持つ法隆寺をはじめ、多くの古寺院は檜建築である。
*檜は優良な材がえられるため、各地に多数植林されている。杉に次いで多く植林されている樹種である。
*檜は杉と比較して生長が遅い。大木には風格が滲み、神社に植えられてご神木とされているものも多い。
*檜の樹皮で葺いた屋根を「檜皮葺」とよばれ、格式の高い神社は桧皮葺である。
代表的姿形 樹形:
 主幹が真っ直ぐで枝がやや斜め上方向に伸びる。テッペンは丸みを帯び、円錐形に近い卵型の樹形となる。大きなものは高さ30m余り、胸高直径1m余になる。
(下写真:幹回り4.2m、樹齢約300年の檜)


20年生の檜人工林。



樹皮:
 樹皮は赤褐色で、幼木では縦に粗く裂けてはがれる。生長するにつれ縦に長く帯状にはがれる。
葉:
 檜は針葉樹でありながら葉は針状ではなく、魚の鱗のような麟片状である。
 葉は緑色で光沢が有り、長さ1〜3mm麟片状で十字対生し、先端はとがっていない。


気孔帯
 檜の葉の裏側にはY字型に見える白色の気孔帯がある。

花:
 花期は4月。雌雄同株で雄花・雌花ともに枝先につく。雄花は赤味を帯び長さ2〜3mmの楕円形。雌花は直径3〜5mmの球形。
 風媒花である。



実:
 実は直径1cmほどの球果で、小さいサッカーボールのような形をしている。初め緑色であるが、開花したその年の10〜11月に赤褐色に熟し、果鱗を開いて種子がこぼれる。
分布 *日本固有種である。本州の福島県東南部以南、四国、九州に分布する。
*天然生としては、木曽、高野山、高知県西部などが、人工造林としては、尾鷲、吉野、天竜、和歌山などの産地が有名である。
*山地に自生し山腹や尾根などの乾燥する場所を好む。植林の際にも谷間はスギ、中腹はヒノキ、尾根筋はマツと植え分けられる。
利用 *檜材はその強度、色つや、芳香の面ですぐれ、建築用材、家具用材、彫刻材など幅広く活用される。特に建築用材として最も高級なものとされ、全て檜材で作った建物は「総檜造り」と呼ばれ、高級建築物の代名詞になっている。
*檜材は耐湿・耐水性が良く、特有の芳香を放つため、しばしば浴槽に使用される。これを「檜風呂」と呼ぶ。
*檜の樹皮は神社等の屋根を葺くことに利用される。これは檜皮葺(ひわだぶき)と呼ばれる。
*精油にはヒノキチオ−ルが含まれ、香料や皮膚病の外用薬として活用される。
その他 *ヒノキに良く似た近縁の樹種としてサワラ、ヒバ(アスナロ)、クロベ(ネズコ)などがある。外見的にはヒノキと良く似ているが、葉の裏の気孔帯の形などで区別できる。
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