感動樹木HP__樹木の見所 (15E20)

名称 カツラ(桂)、 別名:コウノキ(香の木)
名前の由来:この木は良い香りがすることから、「香りが出る=香出(かづ)」  から、次第に「かつら」になったとの説がある。
 別名のコウノキは枯れ葉が良い香りを放ち、カツラの葉から抹香を作ったことから来ている。
分類 カツラ科カツラ属、  落葉広葉高木  
見所 *北海道から九州までの日本の山野の谷筋に自生し、特に渓流沿いの水辺に多く見られる。
*幹が真っ直ぐに伸び自然樹形が美しく、葉がハート形で柔らかい感じを与えるので、夏の強い日射しを和らげて木陰をつくる緑陰樹として公園や街路樹としても比較的多く見かける。
*大きなものは幹の直径2mに達し、ヒコバエが成長して巨大な株立ちになるものもあり、樹種別の巨樹巨木ランキングで桂は10位にランクされる。
島根県雲南市の海潮のカツラなど、国の天然記念物に指定されているものも7件ある。
*成長すると主幹が折れ、株立ちするものが多い。日本においては山形県最上郡最上町にある「権現山の大カツラ」が最も太く地上から約1.3mの位置での幹周が20m近くにまで成長している。
*砂鉄から鉄を作る”たたら”が盛んであった地方では、たたらの神:金屋古神の御神木として桂は崇められ、現在でも多くの桂の大木が残っている。
代表的姿形 樹形:
 高さ30mになる落葉高木。大きなものは幹の直径2mになる。幹は直立し真っ直ぐに伸びる傾向が強く、枝は斜上して全体の樹形は傘型になる。
 樹齢30年位の桂の樹形例


 桂は根元からヒコバエのが生じやすく、主幹が倒れるとヒコバエが大きくなり、巨大な株立ちになる例が多い。
 桂の木のヒコバエの例



樹皮:
 樹皮は暗灰褐色で、浅い割れめが縦に入り、老木では薄くはがれる。
葉:
 葉は単葉で長枝では対生し、短枝では1枚だけ付く。葉身は広卵形で長さ4〜8cm、幅3〜8cm。円形に近い葉の先端が少し尖り、葉の印象はハート形に見える。
 葉は表裏共に無毛であるが、裏側はやや粉白色を帯びる。



黄葉:
 10〜11月、気温が下がると黄褐色から黄色に黄葉する。黄葉した桂の葉は甘いカラメルのような独特の甘い香りを出す。初冬の桂は近くを歩いていても、匂いで分かるほどである。

花:
 雄雌異株で花期は3〜5月、葉の展開に先だって開花する。風媒花である。
 花にはガク片んや花弁がなく、基部を膜質の苞が包む。雄花の葯は紅紫色、線形で長さ3〜4mm。雌花には雌しべが3〜5個あり、柱頭は紅紫色。 下写真は桂の雄花


 花で赤く染まった桂(島根県雲南町菅谷たたらの桂の木)


実:
 雌株は実を付ける。果実は袋果で長さ1.5cm位の少し湾曲した円柱形。秋に黒紫色に熟す。
分布 *北海道、本州、四国、九州に分布する。
*山地の渓流沿いなど水辺を好む。
利用 *公園樹、街路樹として植栽される。
*材は香りがよく耐久性があるので、建築、家具、鉛筆などの材料に使われる。また、碁盤、将棋盤にも使われるが、近年は市場への供給が減っており、貴重な木材となりつつある。
その他 *北海道 ; 千歳市、網走市、乙部町、東川町、平取町、八雲町、真狩村、青森県 ; 大鰐町、岩手県; 盛岡市、山形県; 大石田町、山梨県; 早川町、京都府; 京都市、兵庫県; 朝来市、福岡県; 桂川町は桂を各自治体の木に指定している。
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