感動樹木HP__樹木の見所 (14C10) 

名称 クロマツ(黒松)、 別名:オマツ(雄松)、  
総 称:黒松、赤松などマツ属の樹木を総称して「マツ(松)」と言う。
名前の由来:
 
「マツ」については門松に見られるように神を「待つ」、神を「祀る」の意と、常緑であることからマトノキ「真常木」、久しきを「待つ」、「保つ」の意である、等の説がある。「クロマツ(黒松)」については樹皮の色が灰黒色であることから付けられた呼び名である。「オマツ(雄松)」については赤松と対比して、男性的であることから来た呼び名である。
分類  マツ科マツ属、  常緑針葉高木 、 
見所 *黒松は日当たりの良い海岸地域に多く生えており、白砂青松の日本の原風景を形成する代表的な樹木である。樹形を比較的任意に変え、良い「枝ぶり」を作ることが出来るので、庭木や公園樹、盆栽にも多用される。
*日本古来の樹木であり各地に大木(胸高直径1.5m以上、高さ30m余)が多数あるが、近年は松くい虫の被害で、多くの松の木が枯死している。葉が赤茶色になっている松を良く見かけるが、これは紅葉しているのではなく、松くい虫等の害により枯れかけている松である。
*松では樹皮が灰黒色のクロマツ(黒松)と赤褐色のアカマツ(赤松)が代表的である。両者は樹皮の色以外にも微妙な違いがあるので、両者を対比して観るのも面白い。
*島根県出雲平野では家を北風から守る一種の防風林として、黒松を使用した「築地松」が独特の景観を作り出している。
代表的姿形 樹形:
 黒松は幹が直立し、主幹が高く伸びるが曲がりがちである。枝の付き方も左右対称性が乏しく、樹形は不整形となる。
 庭木などの人工的黒松は「枝ぶり」をよくすつために主幹が大きく曲がり、太い枝を長く伸ばしている場合がある。

自然樹形


人工樹形



樹皮:
 樹皮は灰黒色で、老木になると深い亀甲状に裂け目ができ、厚い不規則な断片となって剥がれ落ちる。
葉:
 黒松は長さ10〜15cmの針状の葉を、一ケ所から2本(対になって)出している。1本の枝は、このような一対の針状の葉の集合体である。




実:
 雌花が成長して球果(マツカサ、松ボックリ)になる。翌年の秋に熟し種子(翼果)を散布する。
花:
 黒松は雌雄同株で5月頃、雌花と雄花を付ける。雌花はあざやかな紅色であり、新枝の先端に付く。形はマツカサのミニチュアである。雄花は新枝の下側につき、これもマツカサのような形であるが、花粉を飛ばし終わると落ちてしまう。雌花は松の実(マツカサ)に生長する。

分布 *本州・四国・九州・南西諸島の各地に生育する。海岸の砂浜や岩の上に自生。公園樹・庭園樹としても植栽されている。
*庭木や公園樹にも多用されているので、人為的に分布が拡大されているが、本来の分布は雪の少ない地域の海岸付近。
*神奈川県真鶴半島の黒松林は巨木が多く見応えがある。
利用 *丈夫な大径材が得られるので建築用材・土木用材・器具材として使われる。
*門松や松飾り等、めでたいものの象徴として使用される。
*潮風に強いので防潮林・防風林としても使用される。江戸時代には街道松並木として使用され、いまでもその名残が残っている。
その他 *日本に自生する主なマツ属の樹種は、アカマツ,クロマツ,ゴヨウマツ,ハイマツ,リュウキュウマツである。アカマツとクロマツが代表的である。
*群馬県、島根県はクロマツを県の木に指定。福井県、愛媛県はマツを県の木に指定。松江市や宮津市など全国63の市区町村がクロマツを自治体の木に指定。
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