感動樹木HP__樹木の見所 (15H20)

名称 ノウゼンカズラ(凌霄花)、 別名:ノウショウカズラ
名前の由来:古名は「ノウセウ(陵苕)」であったがそれが訛り「ノウゼン」になり、つる性で他の木に絡みつくので「カズラ」が付加され「ノウゼンカズラ」となった。漢字「凌霄花」は中国語で、高いところに這い登る花の意味がある。
分類  ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属、  つる性落葉低木  
見所 *ノウゼンカズラは鮮やかなオレンジ色の大型の花を咲かせ、トロピカルな雰囲気を持つが、中国中部・南部原産であり日本には平安時代に渡来し、当初は薬用として栽培された。花が少ない夏季(7,8月)に花を咲かせ、花の色が橙黄色で目立つことから、現代では庭園や公園で観賞用に栽培されることが多い。ひとつひとつの花は短命であるが、次から次へ絶え間なく新しい花を咲かせるので、夏の間2ケ月近く花を楽しむことができる。

*花の形がトランペットに似ていることから、英語ではトランペット・フラワーとかトランペット・ヴァインと呼ばれている。

*同じつる性木本のフジが他のものに巻きついて登って行くのに対し、ノウゼンカズラは茎から付着根を出し他のものに付着して登って行く。したがってノウゼンカズラは丸い樹木だけでなく、建物の壁や塀など平面にも付着して登って行けるので、平面に展開させて楽しむことができる。

*ノウゼンカズラは成長力が非常に旺盛であるので、絡み付かれた樹木にとっては大きなダメージとなり、成長が阻害され放置すると枯死するので注意を要する。また地下茎を伸ばしヒコバエを出して繁殖するので、管理を十分に行わないと繁茂しすぎる恐れもある。

*寿命が長く、金沢市の玉泉園にある古木は豊臣秀吉の時代に朝鮮半島から持ってきたものと言われている。
代表的姿形 樹形:
 つるは長さ3m~10mに成長し、茎から付着根を出して他のものに絡みつき、這い登る。幹は太くなり、大きなものは直径数十センチになる。
下写真:周りの木やフェンスに絡みつき花を咲かせるノウゼンカズラ。


樹皮:
 新枝は赤褐色でなめらか、幹は古くなると木質化し灰褐色で縦に不規則に裂けて剥げ落ちる。
下写真:桜の木に絡みついた直径15cm位のノウゼンカズラ。無数の付着根が見える。幹の途から新枝が出ている。
葉:
 葉は奇数羽状複葉で対生する。小葉は長さ3~7cm、幅2~4cmで縁に荒い鋸歯がある。



紅葉:
 10~11月に紅葉し落葉する。樹勢が強くよく成長するため、よく管理されたノウゼンカズラでは落葉期の2月に前年の枝を全て切り落とし、幹だけにする整姿剪定が行われる。
花:
 花期は7~8月、枝先に円錐花序を作り、直径6~7cmの赤橙色~橙黄色の花を咲かせる。花冠は広い漏戸型でトランペットの型に似る。近年ではピンク色や黄色の花を咲かせる園芸品種もある。


 他の樹木に絡み付き、新枝を伸ばしてそこに次々と花が咲き垂れ下がる。


実:

 気候のためか、花粉媒介動物のためか、日本では結実しにくく、実を見ることは稀である。苗木は挿し木で作られる。

分布 *日本での植栽地は本州東北地方以南で日当たりと水捌けがよい肥沃地に生育する。
*耐寒性はあまりないので、寒冷地には不向き。
利用 *観賞用として庭園や公園に植えられる。
*花や枝が漢方薬の原料になる。
その他 *ノウゼンカズラの近縁種としてアメリカ南東部原産のアメリカノウゼンカズラがある。アメリカノウゼンカズラの花は中国系ノウゼンカズラより小ぶりで細長く、濃い赤橙色。
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