感動樹木HP__樹木の見所 (14G10)

名称 プラタナス()、 別名:スズカケノキ(鈴懸の木)
総称:プラタナスはスズカケノキ科スズカケノキ属の樹木の総称。日本ではスズカケノキ、アメリカスズカケノキ、モミジバスズカケノキが代表的な樹種である。
名前の由来:
 プラタナスの語源はギリシャ語のplatys(広い)で、「広い葉っぱの木」を意味する。
 スズカケノキは垂れ下がる丸い実の形が、山武士の衣装の「鈴懸(すずかけ)」に似ていることから付けられた呼び名。
 アメリカスズカケノキは原産地がアメリカであることから、モミジバスズカケノキは葉がモモジに似ていることから付けられている名前。
分類  スズカケノキ科スズカケノキ属、  落葉広葉高木  
見所 *プラタナスは明治中期にヨーロッパから導入された樹木であって、文明開化の流れを感じさせる樹木として、各地の公園樹・街路樹として積極的に植栽された。一時期、街路樹として最もポピュラーな樹木になっていた。

*日本でプラタナスと呼ばれる樹種はスズカケノキ、アメリカスズカケノキ、モミジバスズカケノキがある。スズカケノキはヨーロッパ系、アメリカスズカケノキは北アメリカ系で、モミジバスズカケノキは両者の交配種でイギリスで開発された。3種の樹木の特徴は良く似ているが、葉の形や実の付き方など微妙な差が有る。日本の街路樹としてはモミジバスズカケノキが多い。

*樹高が15〜30mの高木になり大きな葉が豊かに繁るので、緑の木陰を楽しむ公園樹・街路樹に適している。世界四大街路樹(プラタナス、ニレ、ボダイジュ、マロニエ)の筆頭に挙げられている。鈴懸に似た丸い果実は熟しても長く樹木に残り、冬枯れのプラタナスに多数の実がぶら下がっている光景は風情が有る。

*はしだのりひことシューベルツの「風」やAKB48の「鈴懸なんちゃら」など多くの歌謡曲でプラタナスが取り上げられている。プラタナスは街路樹として身近な存在であると共に、オシャレでロマンチックな雰囲気を漂わせ多くの人の心を捉えている。
代表的姿形 樹形:
 幹は直立するが主幹と枝の区別がはっきりせず、卵形の樹形となる。高さ15〜30m位になり、大きいものは幹周り300cm余になる。



樹皮:
 樹皮は滑らかであるが、不規則に大きく剥がれ落ちる。剥がれた所は緑灰色の不規則な模様ができる。

 アメリカスズカケノキでは樹皮がはがれず、細く浅い割れ目が入る個体もある。
葉:
 葉は幅10〜20cmで掌状に5〜7個の裂片がある。切れ込みの深さは樹種により異なる。

*スズカケノキの葉の切れ込みは比較的深い(中裂)


*アメリカスズカケノキの葉の切れ込みは浅い(浅裂)


*モミジバスズカケノキの葉の切れ込みは上記2種の中間(中裂)


紅葉:
 10〜11月、気温が下がると黄褐色から茶褐色に紅葉(こうよう)する。

花:
 花期は5月、雌雄同株・雌雄異花である。どちらも直径数センチの球形であるが雌花は赤色を帯びる。
プラタナスの雌花


プラタナスの雄花



実:
 果実は多数の堅果が球状に集まった直径3〜4cmの集合果。はじめ緑色であるが熟すと褐色になる。一つの果柄に付く実の数は樹種により異なる。
*スズカケノキ:3〜5個
*アメリカスズカケノキ:1個
*モミジバスズカケノキ:2〜1個

*スズカケノキの果実
分布 *スズカケノキはヨーロッパ南東部〜アジア西部、アメリカスズカケノキは北アメリカに分布する。
*日本では北海道から九州まで広く植栽さいされているが、自然性のものは無い。
利用 *公園樹、街路樹として植栽される。学校や病院では記念樹として植えられることも多い。
*材は器具用としても利用される。
その他 *古代ギリシャではプラタナスの並木が多数植えられ、豊かに葉を茂らせたプラタナスの木蔭で、ギリシャ哲学者たちが盛んに哲学を語っていたと言われる。プラタナスは正にヨーロッパ文化の源流を形作る樹木と言えるでしょう。
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