感動樹木HP__樹木の見所 (14F10)

名称 サトウカエデ(砂糖楓)、 英語名:シュガーメープル(Sugar maple)
総称:カエデはカエデ科カエデ属の樹木の総称。秋に鮮やかに紅葉・黄葉するものが多い。
名前の由来:
 カエデは葉の形が「カエルの手」に似ていることから来ている呼び名。
 サトウカエデはカエデ属の樹木であり、その樹液に多くの糖分が含まれ、砂糖のように甘いことからこの名前が付けられた。
分類  カエデ科カエデ属、  落葉広葉高木  
見所 *北アメリカ原産。高さは30〜40mの大木にもなり、葉も日本の在来種のカエデ(イロハモミジなど)と比べるとかなり大ぶりで、特徴ある形状を成す。樹液に糖分が多く含まれメープルシロップが採れる。

*カナダを代表する木とされ、同国では国旗にこのサトウカエデの葉がデザインされているほか、メイプルリーフ金貨などの硬貨のデザインにも取り入れられている

*黄褐色〜赤色の紅葉が鮮やかであり、砂糖楓の大木が紅葉する様は見事である。特に群生する砂糖楓が一面に紅葉する光景は圧巻である。

*日本では明治時代以降に導入され、北海道を中心に植栽されているが、樹液採取はあまり行われず、紅葉の美しさからもっぱら街路樹や公園樹として用いられている。

*黄葉は葉の中の葉緑素(クロロフィル)が分解され黄色になるのに対し、紅葉は葉の中に蓄積された糖分が日光により化学変化して赤色色素に変ることにより生じる。カエデの葉の赤色発色の原理は、黄色発色の原理より複雑で気候や気温の影響を受けやすい。そのためカエデの紅葉は個体差や年度差が大きい。
代表的姿形 樹形:
 主幹は直立するが枝の付き方は不ぞろいで不整形の樹形となる。枝は上方に伸びる傾向が強く、大きなものは樹高30〜40mになる。
 下写真:黄葉した砂糖楓の大木



樹皮:
 幹の樹皮は灰褐色で粗く裂け目が多く、長い不規則な切片になって剥がれおちる。若枝は赤味を帯びた褐色である。
葉:
 葉の大きさは直径7〜15cmで、浅い切れ込み(浅裂)の3〜5個の裂片がある。葉先が尖り裂片の縁には鋸歯状突起が有って、カエデ特有の形をしている。



紅葉:
 10〜11月、気温が下がると黄褐色から鮮やかな赤色に紅葉(こうよう)する。紅葉の状態は気候や環境に影響され個体差が大きい。

花:
 花期は5月頃、黄緑色の小さな5片花を枝先に群がって(複散房花序を形成して)多数付ける。新葉の展開と同時に開花するため、遠目には葉と区別しにくく目立たない。



実:
 果実は翼果で長さ3〜5cm位の翼があり、2個連結して竹トンボのような形をしている。当初緑色であるが7〜9月に熟すと乾燥して褐色になり、風に吹かれて回転しながら飛び散る。

分布 *カエデはヨーロッパ、東アジア、北アメリカに広く分布するが、砂糖楓は北アメリカ東部が中心。
*日本では導入されたものが北海道を中心に植栽されている。
利用 *砂糖楓の樹液には多く(3〜5%)の糖分が含まれ、煮詰めたものを甘味料(メープルシロップやメープルシュガー)として使用する。
*樹木は堅牢で良材とされ、建築・家具・運動具・楽器などに使用される。ストラディバリウスなど高級なバイオリンはヨーロッパのカエデが使われているとのこと。
*紅葉・黄葉が素晴らしいので、街路樹・公園樹としても使用される。
その他 *アメリカ合衆国北東部のウイスコンシン州、ニューヨーク州、バーモント州、ウエストバージニア州では、砂糖楓が州の木とされている。
*日本に自生するカエデの仲間ではイタヤカエデの樹液に比較的多く(1.3〜1.8%)の糖分が含まれ、シロップを採ることが出来る。
*モミジもカエデも同じカエデ属の樹木を表しているが、葉の切れ込みの数が多く深いものをモミジ(イロハモミジ、ヤマモミジ、オオモミジなど)と呼び、葉の切れ込みが浅いものをカエデ(サトウカエデ、イタヤカエデ、トウカエデなど)と呼ぶ慣習がある。
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