感動樹木HP__樹木の見所 (14C20)

名称 ソメイヨシノ(染井吉野)
総称:サクラ属の花木の中でソメイヨシノ、エドヒガン、ヤマザクラなど、春の花見の対象となる花木の総称として、「サクラ(桜)」と呼ぶことが多い。
名前の由来:
 江戸時代末期に染井村(現在の東京都豊島区駒込)の植木職人が品種改良して作りだした園芸品種で、当初「吉野桜」と呼ばれていたが、明治時代に発祥地の地名を入れて「ソメイヨシノ(染井吉野)」と改められた。
分類  バラ科サクラ属、  落葉広葉高木  
見所 *桜は日本の国花に指定されており、日本の代表的な花であり樹木である。
*ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの交配で作られた園芸品種である。葉が展開する前に開花するエドヒガンの特徴と、大きく整った花形のオオシマザクラの特徴を併せ持ち、鑑賞用の桜としての魅力に富んでいる。
*ソメイヨシノは明治中期以降、日本各地に圧倒的に多く植えられた桜の品種であり、現代の観賞用桜の代表である。例年行われる桜前線予報や桜の開花宣言などはソメイヨシノを対象にしている。
*各地に植栽されているソメイヨシノのほぼ全てがクローン(1個の生物から無性生殖的に増殖した生物の一群)である。そのため開花時期や花の色など個体差が少なく、春先に一斉に花を咲かせ、一斉に散る特性が生じている。
*樹齢10年位の若木から花を咲かせ、樹齢30〜40年が盛りである。寿命は比較的短く「60年寿命説」もあり、樹齢100年を越すものは珍しい。一方同じ桜でもエドヒガンは寿命が長く、各地に樹齢数百年を超える古木が見られる。
代表的姿形 樹形:
 幹は直立するが比較的低い位置から分枝し、樹形は円蓋形となる。
 樹高はおおよそ10〜15m、大きい物は幹の直径80cmほどになる。
満開のソメイヨシノ


冬のソメイヨシノ



樹皮:
 樹皮は灰褐色〜暗灰色でなめらか、横長の皮目が目立つ。老木になると縦に割れ目が入り、表面が粗く隆起するものが多い。
葉:
 葉は長さ8〜12cm、幅5〜7cmの単葉で卵状楕円形。縁には不揃いな重鋸歯がある。



紅葉:
 秋になると黄〜赤褐色に紅葉する。春の花の鮮やかさに比べると見劣りするためか、あまり注目されていない。

花:
 花は両性花で花期は3〜4月、葉の展開に先立って前年枝の葉腋に3〜5個の五弁の花を付ける。
 花色は蕾では濃い赤色を帯びているが、咲き始めは淡紅色、満開になると白色に近づく。



実:
 ソメイヨシノは花は見事に咲くが、実はほとんどならない。まれに他の桜樹種からの受粉で実を付けることがある。果実は直径1cm位の球形の核果。5〜6月に黒紫に熟す。しかしこの種子から芽を出した桜は、もはやソメイヨシノではない。
「春爛漫 花は咲けどもソメイヨシノ 実の一つだに無きぞかなしき」

分布 *ソメイヨシノは園芸品種であり、苗は挿し木や接ぎ木で作られ、自然生(実生)のものはない。沖縄を除く日本全国に植栽されており、北に行くほど開花時期が遅い。
利用 *観賞用の花木として優れているので、公園樹、庭園樹、街路樹として多用される。学校などで記念樹として植栽されることも多い。
*木自体は材木として使われる。材は硬く湿気には比較的強いので無垢テーブル板や比較的高級なフローリング材として使用される。彫刻材としても用いられる。
その他 *桜は日本の国花に指定されている。東京都はソメイヨシノを都の花に、京都府はしだれ桜を府の花に指定、、宮崎県はヤマザクラを県の木に定めている。他にも佐倉市、桜川市など多くの市町村がサクラを市町村の木に定めている。
*桜と呼ばれる樹種は@エドヒガン、Aソメイヨシノ、Bオオシマザクラ、Cオオヤマザクラ、Dヤマザクラなどである。@Aは葉の展開の前に開花し、BCDは葉の展開と同時に開花するので、この点に注意して観ると区別しやすい。
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