名称 |
タブノキ(椨の木)、 別名:イヌグス、タマグス、ヤマグス、単にタブ(椨)とも言う |
名前の由来:丸木舟を表す朝鮮語の方言が転訛したものであり、丸木舟を作る木を意味するとの説あり。イヌグスは、クスノキに似ているが材質などクスノキに劣る、の意がある。 |
分類 |
クスノキ科タブノキ属、 常緑高木 |
見所 |
*照葉樹林の代表的な樹種であり、一年中濃い緑の葉を茂らせ、大木になり力強い印象を与える。
*クスノキの親類であり似た特徴を持つが、クスノキのような芳香は無い。
*日本古来の樹種であるので、神社仏閣で巨木に育っているものも見られる。クスノキほどポピュラーではない。
*かっては材木として利用されたが、近年では姿のよさから公園樹・街路樹としても見かけるようになった。 |
代表的
姿形 |
樹形:
主幹が直立し枝振りは大きく広がり、葉が枝先に集中するので厚みのある樹形になる。大きい物は高さ20m位になる。
樹皮:
樹皮はほぼ平滑で淡褐色〜褐色。古木では浅く縦に割れ目が入る。
若い枝は緑色で、赤みを帯びる。 |
葉:
葉は長さ8〜15cmの倒卵形で革質で硬く、表面はつやがあって深緑。枝先に集まる傾向がある。新葉は赤味を帯びて美しい。
冬芽は花と葉が入った混芽のため丸くふくらんでいる。
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花:
花期は4〜6月。黄緑色であまり目立たない小さな花を咲かせる。
果実:
8-9月ごろ球形で黒い果実が熟す。
鳥が好んで食べ種子散布するので、古くから天より降る木と言われた。
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分布 |
*日本では東北地方〜九州・沖縄の森林に分布し、とくに海岸近くに多い。照葉樹林の代表的樹種のひとつで、各地の神社の「鎮守の森」によく大木として育っている。
*横浜開港資料館の中庭に立つタブノキは株立ちになっており、「玉楠」と呼ばれ有名である。 |
利用 |
*枝葉には粘液が多く、乾かして粉にするとタブ粉が得られる。タブ粉は線香や蚊取り線香の材料の1つ(粘結材)として用いる。
樹皮にはタンニンが多く、「黄八丈」などの染料に使用される。
*材はやや硬く,大径材が得られたことから,建築材,家具材,枕木,船舶材など多方面に用いられた。近年は,樹形の美しさから公園樹や街路樹にも用いられる。 |
その他 |
*葉の細いものをホソバタブとして区別することがある。 |
注 |
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