(116) かけがえの無い樹木モニュメント MuirWoods国定公園のレッドウッド巨木林 アメリカ・カリフォルニアは雨量も少なく樹木の生育には適していない地ですが、海からの霧により水分が供給される海岸の限られた土地に、奇跡的にレッドウッド巨木の森が広がっていました。このレッドウッドの森も西部開拓時代に次々と切り倒され絶滅の危機に瀕しましたが、最後の数パーセントの森がMuirwoods(ミュアウッズ)国定公園として保護・保全されました。Muirwoodsは樹木愛好家にとって最高のモニュメントであり、ここを訪ねるとレッドウッド巨木の森の往時の姿を偲ぶことができます。 |
(116-1) MuirWoods国定公園の巨木 サンフランシスコのダウンタウンからゴールデンゲートブリッジを通って渡った側にMuirWoods(ミュアウッズ)国定公園があります。車で約30分。都会からこんな近くにレッドウッド巨木の森が広がっています。多くは樹齢500〜800年、中には樹齢1000年を超すと思われるものもあります。 |
(116-2) 高さ世界一のレッドウッド レッドウッド(セコイアとも言う)にはカリフォルニアレッドウッド(セコイアスギとも言う)とジャイアントレッドウッド(ジャイアントセコイアとも言う)の2種類がありますが、MuirWoodsにあるのはカリフォルニアレッドウッドです。ここでは簡単のためレッドウッドとだけ書きます。レッドウドは 幹の太さは最大級、樹高も世界一といわれるレッドウッドの木。大きいことはいいことだとするある意味「アメリカらしい木」に相応しい圧倒的な存在感で、人々の癒しの森に佇んでいました。 |
(116-3) レッドウッド巨木の森 MuirWoodsはRedwood Creekと呼ばれる谷川に沿って広がっています。谷川沿いに探索ルートが設けられており、訪れる人は脚力と許される時間に応じて30分〜1時間半のコースを楽しみます。谷川に沿って林立するレッドウッド巨木をめぐり歩くと時間がたつのを忘れてしまいます。 |
MuirWoodsと言う名前誕生にも秘話があります。 1800年代から加速したアメリカ西部開拓に伴い、当時カリフォルニアに茂っていたレッドウッドの森は次々に伐採され絶滅の危機に瀕していました。この状況に危機感を抱いた植物学者で自然保護活動家のJohn Muir氏がレッドウッド保護保全の声を上げました。これに触発された国会議員のWilliam Kent氏が1900年ころレッドウッドの森を買い取り、これを保存すべく合衆国に寄贈しました。時の大統領Theodore Roosevelt氏も感化され、1908年にレッドウッドの森を国立記念公園にするとともに、その名前に寄贈者であるKentの名を冠することを提案しました。しかしKent氏はこの提案を断り、Muir氏こそがその名に相応しいと申し出ました。そして今日の「MuirWoods」が存在するのです。 |
(116-4) 樹木のメッセージ |
樹木写真の属性 | |
樹 種 | カリフォルニアレッドウッド [ヒノキ科レッドウッド属] |
樹木の所在地 | アメリカ合衆国 カリフォルニア州 MuirWoods |
撮影年月 | 2018年5月 |
投稿者 | 金田 美樹 |
投稿者住所 | カナダ・トロント市在住 |
その他 |