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(164)松とのコラボレーションが素晴らしい
横浜・八景島のアジサイ

八景島には2万株余の多数のアジサイが植栽されており、神奈川県でも有数のアジサイ名所ですが、この島にはアジサイだけでなく多数の黒松が見事に育っており、この黒松とアジサイとのコラボレーションが最大の見所でしょう。

  

 (164-1) 西浜シーサイドガーデン
八景島には神奈川県内最大級を誇る2万株以上のアジサイが、島内の(1)西浜シーサイドガーデン、(2)あじさい坂、など8ケ所のアジサイスポットに分けて植栽されており、このアジサイスポットを巡り歩いてアジサイを楽しむことが出来ます。下写真は最初のアジサイスポット:西浜シーサイドガーデンのもようです。
 
八景島に来てまず第一に感じることは松(クロマツ:黒松)が非常に多い事です。最初のスポット「西浜シーサイドガーデン」でも海辺に立つ多数の松の根元を取り囲むようにアジサイが植えられ、アジサイと松のコラボレーションを楽しむことが出来ます。
最近では松くい虫の被害で各地の松が枯れてしまいましたが、ここ八景島では松が良く育ち、改めて白砂青松と呼ばれた松の美しさを思い出させてくれます。

  



 (164-2) あじさい坂

 「あじさい坂」ではゆるやかな坂に沿ってアジサイが植栽されています。背後には無数の松が林立し、低層のアジサイと高層の松が織りなす景観を楽しむことができます(左上写真)。

 寒い冬にも緑を絶やさぬ松は、生命力の強い樹木として古来より日本人に最も愛された樹木ですが、万葉の歌人:大伴家持は以下の様な松賛歌を残しています
万葉集巻二十4501「八千種(やちくさ)の、花は移ろう、常盤(ときわ)なる、松のさ枝を、我は結ばな」
 花はどれも移ろいやすいので信じられない、いつも緑を絶やさぬ松を信じ、願いを託そう。というような意味になるのでしょうか。

 別のポイントで写した左下写真。母と一緒に散策している幼い子供が、上層の松を指さしながら何か楽しそうに話しています。純真な子供の目には万葉人の様に移ろうアジサイより常盤の松の方が魅力的に見えるのでしょうか。

  

 (164-3) 八景島オリジナルのアジサイ:「八景ブルー」

 八景ブルーの庭と呼ばれるスポットには、左写真のように八景島オリジナルなアジサイ:「八景ブルー」が集中植栽されています。

 2013年の八景島20周年を記念して、「八景ブルー」と名付けられたアジサイが誕生しました。それは青い空と海が広がる八景島をイメージさせる爽やかな青色の花びらを持ち、八重咲で星形の一つ一つのかわいいガクアジサイです(左写真中の小写真)。八景島でしか見ることが出来ない命名花です。

 八景島を訪ね、松とアジサイの絶妙なコラボレーションはどこから来るのであろうかと、疑問に思っていましたが、この「八景ブルー」を見て、白砂青松の青と八景ブルーのブルーがマッチするのを見て、八景島のアジサイには松が最もよく似合うことに得心が行きました。

 

 (164-4) あじさいの滝
 「あじさいの滝」と名付けられたスポットでは、勾配の急な松林の中を通る道の両側にアジサイが植えられ、白い花を咲かせる様が滝が流れ落ちるように見えることからその名が付けられています。高低差を利用した景観は八景島アジサイで人気ナンバーワンのアジサイスポットです。
常盤の松は滝の岩を連想させ、移ろうアジサイが滝の流れを表すとすれば、ここでも松とアジサイの絶妙なコラボレーションが感動的な景観を生み出しています。

 

   樹木写真の属性
 樹  種 アジサイ(紫陽花)[アジサイ科アジサイ属]
クロマツ(黒松)[マツ科マツ属]
 樹木の所在地 横浜市金沢区八景島
 撮影年月  2022年6月中旬
 投稿者  中村 靖   
 投稿者住所  横浜市都筑区
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