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(162)亜熱帯から亜高山帯まで 屋久島の樹々 屋久島は日本の巨樹を代表する縄文杉を擁す国立公園であり世界自然遺産であり、樹木ウォッチャーなら一度は訪ねてみたいところです。念願かなって訪ねることができました。 |
(162-1) 亜熱帯の植物ガジュマルのお出迎え 屋久島には志戸子ガジュマル公園というのがあり、ここでガジュマルをはじめ多くの亜熱帯の植物を見ることができます。 ガジュマルは熱帯~亜熱帯の植物で枝から多数の気根が垂れ下がり、それが地面に達すると根を下ろし、やがてどれが基の幹でどれが気根かわからなくなり、左下側写真のように奇怪な樹形となる樹木です。 屋久島はガジュマルの北限の地とされ、本州では見ることができない樹木であるガジュマルを目の当たりにし、はるばる亜熱帯の地に来たなと感慨ひとしおでした。 屋久島というと縄文杉が有名ですが、この縄文杉は亜高山帯の深く険しい山の中にあり、往復22km、約11時間の登山が必要とされており、足に自信がない私は縄文杉はあきらめ、登山バスで行ける範囲の紀元杉を目指しました。 |
(162-2) バスの窓から見る屋久杉 バスは急な山道を上り、車窓には下左写真のように杉の林が続いていましたが、ところどころに下右写真のようにひときわ大きい杉の木が立っているのが見えました。屋久島では標高500m以上で樹齢千年以上のものだけを屋久杉と呼び、それ以下のものは小杉と呼ばれているそうですが、ところどころに見る大きな杉は屋久杉でしょうか。 |
屋久島では縄文杉、紀元杉など杉の巨樹が多いのですが、なぜ屋久島に杉巨樹が多いか調べてみたら、屋久島は栄養の少ない花崗岩の痩せた島で、ここに生える屋久杉は成長が遅く 木目(年輪)が詰まっており 降雨が多く湿度が高いため抗菌作用のある樹脂分が多く腐りにくい特徴を持っています。 そのため木の寿命が長いと言われています。 |
(162-3) 巨大な花崗岩の上に立つ屋久杉
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(162-4) 紀元杉の威容 バスはかなりの山道を登り「紀元杉」がある標高1230mの終点に着きました。紀元杉は木の茂みの中にどっしりと立ち、それは木というより岩のような感じでした。 胸高周囲8.1m、樹高19.5m、推定樹齢3000年、 |
案内掲示板によれば紀元杉にはツガ・ヒノキ・ヤマグルマ・サクラツツジ・アセビなど20種類の着生植物が見られるとのこと。樹齢数百年の大木にはしばしば着生植物が見られますが、このように20種類もの多くの着生植物を持つ巨樹は見たことがありません。3000年余、微動だにせずこの地に立つ紀元杉は、これら着生植物にとってはまさに大地なのでしょう。 |
樹木写真の属性 | |
樹 種 | スギ(杉)[ヒノキ科スギ属] ガジュマル(我樹丸)[クワ科イチジク属] (「樹木の見所」のページにリンクしています) |
樹木の所在地 | 鹿児島県屋久島町 |
撮影年月 | 2021年11月 |
投稿者 | 森本 眞一 |
投稿者住所 | 山口県山陽小野田市 |
その他 |